HAN GAO SOLO EXHIBITION

イヤホンを使用すると

より良い体験ができます

For better experience,

please wear headphones

ファッション、映像、写真、イラスト、インタラクション、コーディング、イラストレーション、タイポグラフィ、ブランディング......デザインの境界線は一体どこにあるのでしょうか。中国で急速に注目を集める新進気鋭のデザイナー、Han Gaoは、その多岐にわたるクリエイティブな業績を通じて、この難題に挑戦しています。

優れたクリエーターは観客と時代のニーズを敏感に捉えられるものです。1995年生まれのHan Gaoは、北京にあるデザイン事務所ABlackCoverDesignの修行を経ち、その後イェール大学に進学してグラフィックデザインを学びました。彼はその学びの中で、商業的な完成度と実験的な要素を兼ね備えたデザインに常に挑戦してきました。彼のデザインには独自の手法と理論が形成され、ある種の作家性とも言え、識別度の高いビジュアル言語が生まれたのです。Han Gaoは、各時代のデザインに対する重要な視点を理解し、その特定の歴史的背景下における画面構成の重要性に心を砕いています。彼は特に、生活の中で見落とされがちな細部や要素を再構築しました。

本展の「イヤホンを使用するとより良い体験ができます」も同様です。ここでは彼の幼少時代のゲーム体験からインスパイアされる“ぼやけた印象”ごと作品になっており、それによりデザインに独特のインスピレーションとエネルギーが注入されることで、グラフィックデザインの境界線が探求されています。

今回開催される個展では、彼の受賞作品を含む、メディアや映像芸術作品も一堂に展示される予定です。ここには文学、言語、ファッションなど、さまざまな分野のデザイン実践が含まれ、多くの作品は静的なメディアの提示ではなく、持続的なダイナミズムに焦点が当てられています。特に、展覧会に展示された作品「Movement.」の一節がそれを物語っています。
「A movement inside a movement. A movement between movements. A movement onto a movement. A movement for a movement. A movement. Movements.」
彼が「ダイナミックな可能性」をデザインに取り入れ、それを観客や時代に適応させています。それにより、デザインがただの機能的な要素でなく、文化や感情、社会に深い影響を与えうる力を持つことが示されています。このダイナミズムは、デザインが持つ「新しい」もの、すなわちイノベーションに繋がっているでしょう。

中国の経済発展が進む中で、グラフィックデザインもまた独自の道を切り開き、多様な視点と独特のスタイルで急速に変化しています。我々は中国のデザインが持つ独自の美学と多面性を日本に紹介し、アジア全体でのデザイン発展と相互理解に願いをこめています。今回の展示は、その長期的なビジョンの第一歩であり、中国と日本、さらには他の多くの文化とデザインがどのように相互に影響を与え合えるかという探究の新たな出発点となることを願っております。


Han Gao

クリエイティブディレクター、グラフィックデザイナー。1995年北京生まれ、2022年にイェール美術学校 修士課程修了。2018年にWorkbyworks Studioを共同設立。作品は東京TDC賞、DIELINEアワード、Pentawardsプラチナアワード、ニューヨークTDC、360アワードなどを受賞。クライアント、コミッショナー、コラボレーターは、Apple、Nike、IBM、Kappa、H&M、Guggenheim Museum、Xander Zhouなど。


会期:

2023.10月7日(土)-10月15日 (日)

11:00-19:00 (最終日17:00まで)

入場無料

会場:

clinic

〒154-0024

東京都世田谷区三軒茶屋1-33-18

企画:

atama